別冊とっしーぱんち

IT技術系、Ruby関連、プログラミングお役立ち

とりとめもないRubyWorldConference2022の話

先週11月10日(木)と11日(金)に開催されたRubyWorldConference2022について、配信で見させていただきました。

まず、RubyWorldConferenceてなに?という話ですが、RubyのWorldConferenceみたいです。いやRubyWorldのConferenceかもしれないです。



・・・すみません、あんまりよくわかってないので、公式サイトよりそのまま引用します。

RubyWorld Conferenceは、プログラミング言語「Ruby」の国内最大のビジネスカンファレンスです。 Rubyが、多様な現実世界にどのように適合し浸透していくのか、そのような普及過程と成長を考える機会となることを期待すると共に、Rubyのさらなる普及・発展とビジネス利用の促進を目指します。先進的な利用事例や最新の技術動向、開発者教育の状況などの情報を発信することで、「Rubyのエコシステム(生態系)」を知っていただくことができる場として開催します。

Rubyは初学者。趣味でやっているだけ。という属性なため、ビジネスカンファレンス見てもしょうがないかもな・・・と思いきや、見たら見たで面白く、また良い勉強にもなりました。勉強っていうと真面目そうな感じが出ちゃうので少し語弊があるのかもしれませんが。興味をそそるというか知的好奇心がくすぐられるというか。そういう類のものです。

さて、そんなイベント内容はこちらのリンクから直接みることもできるのですが

2022.rubyworld-conf.org

その中でも個人的に印象深かったところ、好奇心をくすぐられた点について、書き残しておきたいと思います。

Rubyは死んだ?

1日目は、Rubyのパパことまつもとゆきひろさんによる講演。Rubyを採用している企業の時価総額からRubyは今もなお価値を生み続けているプログラミング言語である(つまりは全く死んでない)という話。

このなかで出てきたRubyの企業価値ランキングのサイトが気になって後で覗いてみました。

toprubycompanies.info

1位のairbnbは日本円にして約10兆円の価値があるそうです。日本企業で10兆円超えしている企業というとNTTとかソフトバンクグループとか日本のトップ5くらいに入ってくるような企業たちなのでその価値は推して知るべしといったところでしょうか。一概に単純比較はできないのかもしれないですが、すごい価値を生み出しているということですね。Rubyだけ使っているわけではないとは思います。Rubyも取り入れている企業ということだと思います。ちなみに日本企業では、18位にマネーフォワード。23位にFreee。24位にmixiがそれぞれランクインしていました。

そして、まつもとさんの講演途中でプレゼン用に使っていたノートブックのバッテリーが切れるというアクシデントが発生。ある意味Rubyは死んだのかも知れません(?)

Rubyに型は必要か?

1日目のまつもとさんの話によれば、型宣言は不要だけども型チェックはあってもいいとのこと。Ruby3.0からRBSという別ファイルを定義して型チェックする仕組みを導入してバージョンアップするごとに洗練させていっているということでした。

そして、2日目のShopifyエンジニア、Aaron Patterson(アーロンパターソン)さんの話によると、チームの規模やエンジニアの数が増えてきて、コード量が増えて、複雑化することが見えてきた段階で型情報を追加できれば良い。その解決策としてSorbet(シャーベット)という型チェック用のGemを利用しているとのことでした。といっても全てのコードにSorbetを使っているわけでもなく、大体6割ぐらいの利用率なのだそう。

たしかに、個人レベルの小さな規模で作る分には素早く簡潔に。Shopifyのような大きな企業で作るときには、型チェックを導入してミスの混入を防ぐ。というような棲み分けができていれば、Ruby本体の機能としては型情報はいらないように思いました。RBSはまだ使ったことないですけど、個人で書いている分にはあまり必要性は感じていないのですよね。

Rubyの速さとは仕事の速さ

アーロンさんが基調講演で話していたRubyの魅力。つまり、Rubyはコードを書くためのルールは少ないので、その分ビジネス上の解決策を考える時間に集中できる。ということなのだそう。プログラムの実行速度ではなく仕事の速度という観点からRubyを評価するという点がとても新鮮に感じました。

速さというと、プログラムの実行速度を思い浮かべがちなのですが、ビジネスの現場では仕事を進める速度のほうが大事なのでしょう。ああなんてビジネスカンファレンスっぽいんだ!と勝手に感銘を受けていました。

これ追加したらRuby使うは脈ナシ

好きな異性にアタックしても、どうやら脈ナシの時に察するアレですね。頑張って要望取り入れても使ってくれない人は結局使ってくれないのだそう。無視するとはいかないまでも、脈ナシと分かったらあまり執着しないのがよいのかもな話でした。


Rubyは初心者大歓迎(きっと)

1日目、Rubyの開発を支えるエコシステムについて、アンドパッド社柴田さんの話。 廃れていくコミュニティというのは、初心者が少なくなっていくそうです。現在のRubyコミュニティには初心者が少なくなってはきているということなので、初心者のかたは今が大チャンスかもしれません。そして色々と情報発信してくださいということでしたので、このブログも1ミリくらいは貢献できたら幸いです。

僕自身がそもそもコミュニティに参加していないので、あまり具体的なイメージが湧いてはいないのですが、プログラムという共通の話題を通して、ゆるやかなつながりができてきたら楽しそうですよね。

色々なサービスたち

講演のなかでちらちら出てきたRubyを使ったサービスたちをメモ書きがてら紹介。基本ビジネス向けかと思いますが、Rubyを扱っている以上どこかでお世話になるかもしれないですからね。

GitLab

企業価値ランキングで登場。GitHubに似たソースコード管理システム。調べてみたらサービス自体もRailsで動いているようです。GitLab自体もオープンなので自分でサーバをたててオリジナルGitLabを運用することもできる。

about.gitlab.com

RedMine

Webのプロジェクト管理ツール。チケットという単位で仕事を分割して担当者の割り当てや作業状況を可視化できる。

redmine.jp

色々なGemたち

講演のなかで直接紹介されたものと、紹介されてないけど、講演で使っていたものを勝手に探して調べました。このブログでもいずれ取り入れていきたいですね。

debug.gem

Rubyコードの動作確認をする機能。Rubyのコードを1行単位で実行しながら、変数の値や実行結果を確認することができる。

techlife.cookpad.com

textbringer

テキストエディタ「Emacs」を模したRuby製テキストエディタ。

github.com

Rabbit

まつもとさんが使っていたスライド作成用Gem。パワポみたいなスライドが作れる。

rabbit-shocker.org

Sorbet

すでに出てきましたけど、Rubyに型チェック機能を追加することができる。

sorbet.org